mix for "Music Inn" DJ event on 2010/10/29

遅ればせながらも誰も待ち望んでいないプレイリスト解説


Love Wars '10
http://8tracks.com/shimiyo1024/love-wars-10

1. Splendid Flight / 長岡成貢
2. Now loading...SKY!! / スフィア
3. Brazilian Rhyme (Interlude) / Earth Wind & Fire
4. Love Means Everything / Touch Of Class
5. The City Mouse / Hummingbird
6. Don't Look Back / Jack McMahon
7. Racconto Televisivo / Armando Trovaioli
8. Crumble / Hugh Hopper
9. The Battle Cry / Gino Vannelli
10. ポニーテイル / 麹町養蚕館
11. Palm Trees (Love Guitar) / Steve Hillage


今回も導入としてサントラより選曲。『宇宙のステルヴィア』より。『宇宙の〜』を通して観てみたのはちょうど半年ぐらい前なんだが、以前より良質SFとしての評判が心の片隅にあったところ、その頃のアニメ時間帯に『宇宙の〜』の廉価版ボックスCMがやっており、そのバックで流れていたメインテーマ的な劇伴(サントラ収録の"Sense of Fulfillment")が映像と相まってヒジョーにグッと来て、これは早急に観なければ!とレンタルで観たのでした。そしたらやっぱりお話はもちろんやはり劇判が一体全体素晴らしかったんです。それで長岡成貢氏を再認識したんですが、それまでは大好きな黄金期SMAPにおけるサウンドプロダクションを知るぐらいだったでしょう(最近Folderでもいい仕事してたことを再認識しました)。そんで、この劇判なんですが、私が他に知っているような長岡氏のセンスからはとても想像できないような、まさに宇宙を感じさせる壮大さを持ちながら、どこまでも繊細かつロマンチックに心に分け入ってキューンとさせるような音楽なんです。とにかく音像が柔らかくって。クレジットでは生の管弦入れてるとあったように思いますが、ソリッドな感じがしなくって、シンセ管弦のような名状しがたい温かみを感じるんです。
有名所ではストパンの劇伴なんかで今も活躍されてるようですが、残念ながら私はストパンのはしたなさが受け付けず観れてなかったりと、他の劇伴ではどういった作風を展開してるのか未だ知らないのが残念。
さて話が長くなりました、どんどん行きます。
昨期アニメ『あそびにいくヨ!』よりOP曲。スフィアの曲はそれまで特にピンと来るものはなかったんですが、全編において素晴らしく良心あるおたく的感性に満ち溢れていたこの作品、音楽もポップスセンスに溢れてまして、この曲は一聴してグッと来ました。
まさしくアース・ウインド&ファイアーな前曲のイメージからインタールード的に"Brazilian Rhyme"を挟みまして、四曲目のバカスカアゲアゲソウルナンバー"Love Means Everything"へ雪崩込ませます。
この曲、流線形と比屋定篤子の渋谷デュオでのライブの中のDJでかけられてて、お客さんがこの曲なんですか?と尋ねに行ってるのを脇で見ていて、知ってる私は矮小な自尊心でほくそ笑んでました。
さて、一転して爽やかな空気を。私も詳しくは知りませんが、UKソウルの屋台骨的なスタジオミュージシャンで構成されたイギリスのティン・パン・アレーにも近い連中だったのではないかと想像しますが、ハミングバードの76年!(最高の時代です)作品より。もうわたしゃこういう音像、バンドサウンドがドツボでたまりません。リードシンセ、ローズ!ギター!ベース!ドラム!みんな最高です。そしてこの曲明らかに"Feel Like Makin' Love"を基にしておりニヤリとさせます。爽やかな雰囲気を引き継ぎまして、アルバム"Better Late"の最高なオープニングナンバー(この曲だけ突出して良い…82年という時代もギリギリという印象です)につなぎます。シンセ音色が気持ちいいんです。この曲は大学一、二年の時に意外にもろじうらんどりーO内君が発掘したのを教えてもらいましたね。
しばらくのインストコーナーに突入します。
これまた哀愁誘うシンセが素晴らしい一曲。ユニオンの100円ワゴンで手にとったイタリアのモンドな映画音楽コンピに収録されていた、妙なイナタさがグッと来る、かつて聴いたことのない種のメロウ?グルーヴ。うーんいかにもレアグルーヴ。なんかLampの染谷さんこれ聴かせたら絶対気に入りそうな気がする。
一転して、おちゃらけムードに始まるヒュー・ホッパー先生にしては行儀のいい軽妙なジャズロックナンバー。しかし後半おいしいエレピソロ満載なんですね〜。
さてカンタベリーを経由してプログレ、とはいってもジノ・バネリのインスト曲に行くところがカブキ者の私ならではないかと思いますが…この曲最初に聴いて思ったのが「うお!すげーparaokaさんっぽい!」…このダサカッコ良さをマジで追求していそうな様。そしてこれ以上なくスムーズなつなぎを発見せしめたのではないかと思いますが、paraoka氏による麹町養蚕館の"ポニーテイル"へとつなぎ暴力的にクライマックスとしました。この食いまくりのアレンジ頭おかしいなー!
さぁお終いです。スティーヴ・ヒレッジの不思議な叙情的ソウルフルナンバーに身を任せてお休みなさい。