ハローサマー、グッドバイ / マイクル・コーニィ

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)


アニメ化決定
の巨大AAを貼りたいところですが…俺がプロデュースするので金よこせ


id:murashitさんがid:numberock君の見舞いの品としてお貸しになったようですが、number君が超絶リコメンドしてて(http://d.hatena.ne.jp/numberock/20100826/1282827321)ビビっと来たので即買って(ABCにあった)読み始めるも雑用ありつつで長引いてやっと読了。


1975年のイギリスSF、っていう馴染みのない感じ、しかし音楽文化的には愛着のある時代の作品、ってのにまずグッと来る感もあり。
まず世界観は満点、もうかなり前だから記憶薄れてるけど、天体の設定など含め自然への造詣深さが伺われるオリジナリティが椎名誠SFとも近い感慨を呼び起こしたな。ところで地理的な位置関係や風景のスケール感をイメージするのが難しかったってのはある。皆さん明確にイメージできるもんなのかな?そもそも作者がはっきり考えてないかもだけど。


ラスト、ですけどレビューの中には割と脳天気に大逆転勝利!みたいに書いてる人いますが、自分は普通に鬱展開が好きなのもあるけど笑、バッドエンド解釈、ひいては人間(では一応ないが)の業、自然に対する無力さ(ナウシカ的問題意識はないけど)やらなんやらっていう、いかにもディストピアSF的な、相対化する目論見ととりたいな。
まず第四級以下の連中が切り捨てられた展開などは、うわー、やりやがったぜって個人的にアツかったのですが…ラスト以後、例えお偉い連中、ドローヴ他の両者生き延びても、ドローヴ他だけ生き延びても40年後経っていては希望も糞もなくて現実味は薄いわけです。
冷静に考えれば最後のドローヴのモノローグも完全に狂気染みたものを湛えているんですから、その直前の思考が決して確からしさを持つようにも読めないようになってるはずです。(→そして最後の混濁した走馬灯。)
たとえロリンでも精霊のようなファンタジックな存在ではないんですから、まさか40年も大勢の人々を温め続けるような超越的な存在ではないとも考えられます。(精神的感応能力や、ドローヴ説をとったときの、ロリンこそが人々へ寒さへの恐怖を伝えてくれたのだ、というのは本当にロマンチックな事実/整合ですが)
ですから、この大災厄が歴史上初めてであり、やっぱり人類(一応)は無力であった、というのを本当のところとして、しかしドローヴの信じる"伝説"―40年続く闇の中、ロリンが人々を護っていく―そして願わくばブラウンアイズや街の人々も40年後に目覚め、再び一緒に幸せに暮らす―シェルターの連中は、当然生き延びることはないだろう―という、彼の確信、しかし幻想が、その死によってパーソナルな永遠のものとなる…この対比の切なさや虚しさ、儚さが、この物語をより美しくさせてくれるのではないかと思うのです。
そして何より!(今すごいハッ!としたけど)例え生き延びても、40年経ってしまった時点で、ドローヴとブラウンアイズの若々しい愛が育まれた最初で最後の一度きりの夏のような瑞々しさは、決して二度と取り戻すことはできないのです!これはこの物語にとって決定的に悲劇的で、象徴的でありましょう。


(帰宅後追記)
帰ってからはてなでのレビューかなり遡って読んでみてたけど、自分相当ひねくれてるのかって気分になってきたぞ笑、あんまり深く考えてない人も多いみたいだったけど。
種明かしが一番良くまとまってるここ(http://d.hatena.ne.jp/me-sakura/20080711/p1)なんか読んでて気付いたけど"そのあいだは歳もとらなかったはずなのだ。"っていう言及は見逃してたな笑。先に書いてた時は、青春恋愛小説として、50代の男女の未来を想像せざるを得ないのは敗北だろう、という想像に支配されてたところはあり笑(映画『男と女2』を想起…)
にしても、 やっぱりルサンチマンで屈折してる私のようなペシミスティック、ニヒルでハードコアなSF者の皆さんや、喪失ゆえの美しさに魅力を感じる人はバッドエンドととり、極めて健康でファンタジー寄りな皆さんはハッピーエンドととりましょうということでひとつ笑

さて物語はおいといて、当然キャラの魅力にも言及せねばなりません。
女の子二人、ブラウンアイズとリボンは皆さん萌え萌え言いまくってるのでいいでしょう笑
個人的にはやはり最低にも身を堕としたリボンにゾクゾク来てしまうところがありました…(バタフライ・エフェクトよろしく)
あとドローヴの両親、特に母親のこいつイっちまってるな感が好きでしたね笑
そして何より!私的に一番ありありとイメージできたのがウルフで、最近色んなアニメで耳にしてグッときてる陶山章央さん(http://www.sigma7.co.jp/profile/m_17.html)ボイスを脳内であてずにはいられませんでしたね…。
それととあるレビューで書いてあって確かに!って思ったけど、ラノベ的リアリズムと同時に富野由悠季的なアツさとも近いよね!と。(そもそも復刊時、ラノベクラスタで超盛り上がってたんだなぁと。)
ドローヴにカミーユ(CV:飛田展男)的要素は確かに感じてた笑
いややっぱりこれはアニメ化でしょう…!
しかし相当にエロゲ的でもあるってのも言ってる人覆いですし上手く翻案すれば余裕で泣きゲーと化しそうですね…。


ともかく皆さん買って読んで続刊願いましょう。

『ともだち同盟』/ 森田季節

ともだち同盟

ともだち同盟

読んでから書こう書こう思って数日経ってやっと重い腰あげたし、腰あげてからも書くのに時間かかっておりました。
先月あたり、氏のラノベ近作『不堕落なルイシュ』ですが、あらすじのディストピア設定(とまぁ当然オーラ)に惹かれるなどして読んでみたが、(これに関しては期待すべくもなかったかもしれないが)センス・オブ・ワンダー的印象は無くとも、そのぶっとんだ物語感覚にはどこか鬼気迫るものを感じたのだ。
不堕落なルイシュ (MF文庫J)

不堕落なルイシュ (MF文庫J)

そんで同日に、氏が一般文芸デビューもしていたとのことで調べてみれば、まず何より(伊藤計劃『ハーモニー』で相当に知名度得たと思われるが)大好きなイラストレーター、シライシユウコさんの美麗なカバー絵に心奪われ、物語もドツボそうであったので早速読もうと思ったのだが、時期が過ぎていたのででかい本屋でも見当たらず(ABCにも無く…)、やっと先日Amazonから届いた。
先に余談を言ってしまうが、9月にはなんとハヤカワから『不動カリンは一切動ぜず』でSFデビューとのことでめでたい限りである。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/paperback/list.html
森田氏のスレによると、

220 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 22:59:34 ID:3VDkGlbQ
不動カリン、ググったら元々はガガガ文庫ラノベ大賞に出した作品だったのか
221 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 23:07:33 id:wqUCVOXL
ホントだ
ttp://gagaga-lululu.jp/gagaga/keika2.html
一次選考通過か
タイトルそのまんまだなぁ

とのことだが、本人ブログで

http://moritarail.blog108.fc2.com/blog-entry-60.html


ページにて告知するのを忘れていましたが、9月にハヤカワJAより、新刊『不動カリンは一切動ぜず』が出ます。今回は文庫です。
過去に書いた作品のタイトルだけ使ってますがイチから書いてて、設定とかも何もかも違います。とりあえず、ハヤカワさんらしく多少SFっぽいものをという意識でやりました。よろしくいお願いいたします。

とあるように、やはりハヤカワ、ただじゃ出させるべくもないので期待である。


そんでもって、自分の感想を後回しにするのも変だが、ブログ検索でレビューを探してみると、

http://blog.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%A0%E3%81%A1%E5%90%8C%E7%9B%9F&type=article&aq=-1&oq=&ei=UTF-8


[ラノベ][いずれ消す]『ともだち同盟』祭りがネット外で発生-7月8日
定期刊行物のラノベクラスタが総出で祭り。 7/2 週刊読書人 坂上秋成 7/10 本の雑誌 前島賢 7/17 小説すばる 大森望 そして漫画評論サイトとニュースサイトが激賞、大手ラノサイの反応は鈍い。
d.hatena.ne.jp/Thsc/20100708/p1- 詳細情報- はてなダイアリー Thsc

という既に消された記事が引っかかった。確かに『ともだち同盟』のネットでの反応はあまり観測されないが、この三者の評に説得力があるならばますます私も自信を持ってプッシュしていきたいものである。ということで地元の図書館で調べてみたら"小説すばる"だけは取り寄せで読めそうである。大学図書館には残りの二つがあって、"読書人"の方は確認できたものの、"本の雑誌"はバックナンバー数冊をどんなに最後の方の索引でチェックしても"前島賢"、"ともだち同盟"の語が見つからない。検索では前島氏自身のツイッターでの言及が引っかかったので存在は間違いないとは思うのだが…どなたか所在を教えてください。
ところで今回これを機に、文芸系雑誌シーン全体に目を向けることになったけど、未だにこれだけの数が存在してんのか!と。すでに多く潰れてもっと少ないのではないかという印象だった。いや、すでに多く潰れて、これでも減ったのかも知れないが。詳しくは知らん。しかしあくまで客観的にですよ、どこの誰が読んでるんだろう…と。本の為の本がこんだけあったらそれはもう絶望的に追っかけ切れんぞ。
それにしてもいつも読んでるたまごまごさんとこで紹介されていたのには気付かなかった。これは失敬。http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/20100630/1277825150


さて自分の感想、といっても大したことは書けん。
まず鉄オタな著者ゆえの、鉄道に着想を得た人物・物語設定の面白さ。そして著者がかつて暮らしていたであろうゆえに、愛着を持って描写されている舞台である兵庫。(と聞くとハルヒ的な情景をイメージしてしまう)
鉄道という要素に関しては、特に鉄道に乗る旅人が抱き、また鉄道が象徴もするだろう、不確定性、未決定性、超越性といったものとの出会いに崇高さを求めるような属性を登場人物、特に千里に付与するものとして、また後半においては、三者の揺れる関係性を示すものとして(かといって上手く説明はできないけど)、物語全体を覆う幽玄とした雰囲気、旅情にも近い寂莫としたロマンティシズムの内包に大きく貢献していて、とても奥深い設定に思える。そしてラストで千里が明かす、彼らの名前を駅名になぞらえたトリック、といってもこれはいわゆるそれとは言えぬ、不思議な仕掛けなのだが、決して緊密な根拠付けでなしに、あくまで再帰的なゆるい関連性を醸し出しているところが浮遊感のある感情を呼び起こすゆえんである。
ここで言い出すが、自分がこの物語に想起させられたのは「無根拠」と「根拠」、そのはざまといったところである。先に述べた鉄道に関する形容とも通ずる。
この物語を駆動する自称魔女・千里を軸にした三者のつながりは運命的であると簡単にもいえる。
考えてみよう、特に異界に連れ出されて以降の弥刀、朝日は、トリスタンの効果を否定しつつ、互いが結ばれる根拠なき必然性への確信を強めていく。(しかし異界における描写は終始、まさしく現実離れしたような空気感の中、朝日、そして特に読者が最も同一化しているであろう弥刀の意識がドロドロと定かではなくなっていくような、静かな狂気さえ孕んだようなものとして感じられる)
しかしその感情の変化は、千里のトリスタンによる、あくまで予定調和で、崇高な運命的出会い、とは縁遠いものなはずだ。
いや、トリスタンなんて本当に効果があったもんじゃないが、あくまでトリガーとして作用し*1、メタに考えればそこに三人の関係の運命性はあったのだ、ともいえるかもしれない。
読者は、ここで弥刀と一緒に、「この物語はどう解釈されるべきなのか」と、無根拠と根拠のはざまで宙吊りのまま揺れ動くことになり、容易に感動に誘ってくれたりはしない。
だが本質はもっと高次にあり、トリスタンが一般的尺度でホンモノであるかどうかは問題ではない。
アイロニカルにも、フィクショナルな根拠性に支えられる魔女である千里は、彼女自身もトリスタンを飲んだことに象徴されるように、彼女さえあずかり知れぬほどに肥大化した自意識〜魔術に身を委ねることで、根拠性を逆転させ、無根拠性の果てにある、運命的な物語の崇高さを獲得しようとしたのではないか、と読んでみたのだがどうか…。いや自分でもよくまとまってない。


しかし、千里と共に異界に残ることを選択した弥刀であるが、ここで選ばれた二人だけの世界は、エヴァ以降の男性性、女性性のひたすら退廃的で甘美な一体化願望に支えられるものでも決してない。*2今のところ唯一読むことが出来た坂上秋成氏の評も、「セクシャリティという現実的な問題に現代的強度を見出したい」というものであった。

「二人とも女の子だったら、体目当てだったなんて言えないじゃないですか。わたしは恋愛するつもりなんてなかったんです。ただ、大神君がほしかったんです」
「ですね。わたしは意味を作りたくなかったんです。男と女じゃ、わたしたちはどうせいつか劣化して恋をしてしまいます。そしたら大神君と手をつないで日なたぼっこする幸せもわからなくなってしまう。それを思い出にして老けていく。いい大学に入っていい会社に勤めること。たくさんお金を稼ぐこと。スポーツや芸術の腕を磨くこと。幸せな家庭を築くこと。すごく快感なセックスをすること。みんな有意義なことです。だからそういう薄皮をはがして弥刀だけをとらえようとしたらこんな方法しかなかったんです」
(p221〜)

この千里の告白の意味するところについて考える必要がありそう…


そういやあずまんがクォンタム・ファミリーズ関連の発言や早稲田での講演で、この時代において人生に一回性、必然性を見出すなんて無理、でアーキテクチャに身を委ねて生きざるを得ない、的な主張があったけど関連するかもしれん。


それにしてもAmazon唯一のレビューなんかはラストシーンが衝撃、とか言ってるけど、どこのことを指すのやらという感じで、というのもラストのラストの妙にホラーチックな着地と、朝日が未だ俗世に居残り続けている感じが、3章までの崇高さから一転して、少々興ざめというのは否定できないからだ。(これ以外のどんなラストがありえたか、と言われれば私は全く思いつかないが…)


ただでさえレビュー少ない中でこちらは秀逸
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20100703/p1
後半など仰る通りなのでしょう。


『ともだち同盟』聖地巡礼記事。素晴らしい。
nonki@rNote - 「ともだち同盟」現地探訪-箕谷駅から
森田季節「ともだち同盟」舞台探訪@JR関西本線大河原駅 - きーぼー堂


ちょっとまだ追記、改稿する気満々…
20100911、言葉遣いなど直した、しかしあんまり検索で人が来なかったな


といっても今晩、高速バスで東北へと旅に出ることになっているので(ここで鉄道じゃないのかよ)、まとめ切れない…

*1:オリジナルにもそういう解釈があるのね http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%82%BE%E3%83%AB%E3%83%87

*2:また、(大学での貴重かつ良質な文化系授業であった表象文化論の先生の受け売りであるが…)ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチやマクロスFにも表象された、旧来的男女観を更新し、クィアな男女観を肯定していく潮流にも関連付けられるだろう、という

収穫感謝の儀

定期的にアニソン、キャラソン良質ポップス/レアグルーヴ発掘作業やってる私であります。
いやホント自分みたいな嗜好性でアニメカルチャーに接してる人がほぼおりませんで誰に届くとも解らない努力ですがいつか報われると良いですね。

今日は"キャラソン"タグで結構遡ってみたのだが、まずこれ…。

ストラトス・フォーのキャラソンより、淋しいままで/菊原香鈴(折笠富美子)。
これは涙ぐむこと必至。キャラソンでこうもじわっと染み渡るバラードにお目にかかるのは初めてぞ。
歌詞書き出したくなったほど切ない。

携帯電話から送られるメールは 例えば空に飛び立つ鳩のよう
誰かのもと届けばそれでいいよ 私はここにいるよってそれだけで
君の心の中が見えない 悲しげにうつむいた あなたの瞳きれいだね
愛してるなんて言葉重くて どこかに嘘が潜んでいそうで
約束なんかより今はただ 淋しい同士でそばにいて
迷路みたいなのはこの道のことじゃない 私が探す見えない明日のこと
無くすことが怖くて 背中向けて隠れるたびに 心が迷子になる
君が望むことが解らない 私にも解らない あなたの瞳見つめてた
愛してるなんて言葉無理だよ いつかあなたを憎んだりしたくないよ
約束で縛るより今はただ 淋しい二人でそばにいて
多分一人きりがそんなに嫌いじゃないの でも強くもないこと私きっと気づいている
差し伸べてくれた手は 私に暖かすぎるから余計辛くて
あなたのその手の温もり無くせない そんな日まで 淋しい二人のままでいて

こうシンプルなコードでも結局メロディ、構成ともどもいかにこれ!っていう必然性を如何にもたせて深遠なロマンティシズムを宿らせるかだと思います。サビのVm7 I7んとこの6thと#9thの音を紡ぐメロディの切なさ。最後のサビ前のローファイになるとこ!そして終始のエレピ!よりリアルなRhodesサウンドだったらもっと良かった。今度マイRhodesで録りたいぞ。
何より折笠さんのか弱くしとやかな歌心に奇跡起きてる。
他のキャラソンはうpされておらず、Amazonで試聴できたのだが他には一曲よさげなのがあった。少なくともこの曲目当てでツタヤで借ります。
ストラトス・フォーは未見だが、先日観たステルヴィアにも似た雰囲気があるのではと伺われ以前から気になってたのでいつか観る。このPV観る限りでもきっと良い。てかこのPV作った人は心が綺麗。


次、これは今日見つけた奴じゃないしアニソンでもないが、バラードつながりで以前取り上げたスターライトPのミク新作、11次元ガールフレンド。

いやはや新境地。進化してます。
シャッフル16ビートいいよねぇ。サビ、大サビのロマン。
惜しい所としては(この人の音楽的快楽のセンス、相当自分と近いものを感じるんだけど、どの曲もどこか違和感あるとこがある)、サビに向かう高揚感の弱さ、サビのメロはG音で締めたほうがよかった、エンディングのあっさりさとかでしょうか。相変わらず情報が少ないんだけどしかしこの人のバックグラウンド気になる。


はい次、アニメでもなくゲーム、ときめきメモリアル4。これまでカスるはずもないところであります。
みんな大好き花澤香菜さんのキャラとのことで、Love is a Melody/響野里澄(花澤香菜)。
これも一聴しておお!となった、傑作。

ここで懐かしくも思い出されたのがSMAPの…freebird。どうでしょうか。これ当時から好きだった。

で、調べたらキャラソンは他にもたくさんあるのだが、ラブプラス同様通販限定で売ってるらしく、うpされにくいのも当然のようで、検索してもこの一曲しかなかった。ので「淋しいままで」同様にホントに運の良い出会いであった。
KONAMI コナミ製品・サービス情報サイト
KONAMI コナミ製品・サービス情報サイト
http://www.konamistyle.jp/sp/tk4_sp/chara_box.html
試聴できるの全部聴いてみたが、特に良さげだと思ったのは一番上のリンクの3、4曲目ぐらいか。
にしても全体クオリティ高すぎる!好きじゃない曲調にしても音作りのセンスは凄い堅実というか嫌味がないので聴ける。もちろん買うわけにもいかないのでうpされるのを待ちます。

アニメ雑感

事前には注目していなかったものの、今日もやられやくで本編キャプを目にするや、キャラデザと色彩設計にビビっときて一話を観てみた新アニメ「あそびにいくヨ!」(http://asoiku.com/index.html)、いやはや期待している。
これは絶対ただのおっぱいアニメじゃない予感がしている。
キャラデザにビビっと来た、というのも…飛躍するが、5月〜6月にかけてアニメのR.O.Dを全部観て、これは本当に素晴らしい!舛成・倉田は神か!(かみちゅは二年前に観たが、まだその他の仕事は押さえてない)となり、先日公開(するも残念ながら不振だが)の宇宙ショーにようこそも早速観て信心を深めた私であるのだが、どうもこのあそびにいくヨ!のキャラデザ、というかその深みのある目のデザイン(下まつげの色気って重要)にR.O.Dの石浜さんと近いものを感じたんだよなー。まぁ別に言う人に言わせたら全然違うだろう、何か他の潜在的要素があったやもしれん。キャラデザの森島範子さんは今作で大抜擢、のようだがこれがこの人の確固たる画風かどうかは定かではないし、どういう影響下にあるのかも知らん。ともかくだ、特に双葉アオイちゃんの吸い込まれるような眼力はヤバイ、ということだ。
で、もちストーリー、演出的にもグッと来るところがあったわけで、公式サイトに掲載の前島賢氏による「SF視点応援レビュー」(http://asoiku.com/sp_review_sf.html)の誠実さを見てもらえばわかるように、良心的なSF者、おたく的心性ならばどうも多くを感じずにはいられない作品のようなのだ。
キャストには、主人公に少年ボイス、田村睦心さんの抜擢。超応援しているキルミンずぅのケン役でとてもいい演技しているのでこれは嬉しい。さりげなくR.O.Dのマギーちゃんの平田宏美さんもいる。その他はいかにも適材適所な今をときめく声優陣なので特に感想はない。
そして音楽。劇伴はまだ未知数だが、まずED。

花澤さんのこれ。いい曲だ。
そして初回はOPがなかったのだが、曲だけいざ聴いてみると、

これは素晴らしい!スフィアは今までの曲的にもメンツ的にも特にグッと来るところはなかったが、これはかつてなく良いぞ!EW&F的文法。
若手作曲・編曲家の虹音さん、ポップスファン的に要注目。


話は変わってNHKで再放送中のエレメントハンター(http://elementhunters.com/index.html)、初見で観ているのだが、アツくなってきたぞ!!!
もとはたまごまごさんとこでどなたかが終盤超グッと来る!とリコメンドしてたので、SF的期待もあり観ることにしたのだ。前回、今回のアリーのコロニー脱出と大気圏突入、レンのトラウマ的描写、アリーがその精神的支柱になってく感じ!恋模様期待。そしてアリーに代わって前面に出てきたハンナ!かわいい!
序盤は確かにダラダラ耐えつつ観てるところもあった、画の粗さ(キャラデザは決して嫌いではない、目の縁取り、色塗りとか独特だよね)、レンの棒読みとかとか。それでもユノの可愛さやたまにある良い話を楽しみに見てたが今後楽しみである。先は長い。
あと皮肉屋のトム・ベンソンさん最高。声の陶山章央さん最高。実は前述したR.O.Dの後に宇宙のステルヴィアを一気に観て、それも素晴らしかったのだが、それにも出てた陶山さんの印象的な声は気になってて、あとから気付いたが放送中のHEROMANでも哀れなニック(死んだのに誰も後で回想しない…)を演じておられた。

めざせポケモンマスター

の話が数日前に友人との席で出て、家に帰ってすぐさま聴いてからというものの本格的再評価の流れ!
当然これまでに数度思い返して聴くこともあったろうが、音楽的な受容ができる耳が出来上がった今、ようやっと正当な評価を下せるってもんです。



http://cgi41.plala.or.jp/POKEMON/history/page172.html
今回調べて初めて知ったけど、編曲:渡部チェル、コーラス編曲:ダンス☆マンこと藤沢秀樹、演奏に彼の率いるジャドーズ!とのことで道理でなぁ…と。やはり90年代末、音楽やら諸文化シーンのお茶の間におけるハイコンテクスト性が許容されてた時代の一つの極致がここにも、という感じ。
音色的には全編音場を埋めてるエレピ、Bメロの16分の裏で刻むオルガン、フルバージョンで初めて味わえるゴージャスなコーラス、熱いギターソロその他発見、聴きどころありすぎ。
繰り返し聴いてるとスカートの中の後のキャー!が叫び声じゃなくてなんかよくわからないSEに聴こえてくる不思議。
コード的にはこうも多彩な感情の起伏を一曲の中でよくも盛り込んでるなぁと。
Bメロ後半のベース半音下降んとこ、F#m7 Faug A/E B7/D#の美しさ、そしてB7だからこそつながる(こういうのどういう解釈だか忘れたけど)Bm7からC#m7 DM7 E7へと華麗に切り返して登りつめる感情。
そんでサビのEm7!最初聴き直した数回ここで脳汁がズビズビ止まらなかった!これを書いてる今は流石に慣れすぎてもう出なくなってしまったが…悲しい。このサビのメロディと相まったメロウさは何なんだ。最後のDM7 C#m7 Bm7 C#m7の早いコードチェンジ。
大サビの調性感あいまいにしながらもストレートなトライアドで魅せるF C G。


こちらも素晴らしい98年版。

前掲サイトによると美久月千晴神保彰、エリック宮城グループetcという面子!
やはりハイコンテクストである。

で、その後作られたというCHOKKAKUによる2001年版、cobaによる2002年版も聴いてみたらつまらなすぎてやばい。ので貼らない。やはりこの数年の間に決定的断絶があったと考えて然るべきでしょう。


関係ないけど同時に思い出したバーチャファイターのアニメのOP。
幼少時ほぼ積極的にアニメ観てなかったので印象深いの少ないのだがこれは妙に好きだったのだ。


作曲は残酷な天使のテーゼの人だった!
一方後期OPは全然覚えてなかったが、以前ササキトモコさん関連で知ったセガの社員シンガーの人か。好きではないが。
http://d.hatena.ne.jp/shimiyo1024/20090920

ギラ・動画


素晴らしいセンス…。
もちろんさんツイッターにて



わーちゃんとハモンド弾いてる



アートや



これなつい


久しぶりにベース動画


うわーこの人は恐ろしい。parakeets君も是非。
テクニカルだけどいやらしくない…スマートすぎる…今までになかった感じ。
http://dic.nicovideo.jp/a/ponta


osterさん長らく聴いてなかったからこの曲初めて聴いたけどいいですね。てか歌吹き替えてる人もめっちゃうまいんだな…


そして我らがサルちんバンこ大先生も新作うpしてた!
これは嬉しい!ボトムズの「炎のさだめ」!
例によって自らの美声も披露…

ちょっと前からボトムズちょびちょび観進めてるけど一時期炎のさだめ聴きまくってた。コード素晴らしい。
でヘタなりにボッサコードつけて爪弾いたりしてた。いい感じになるんですよ。


みんな大好き?俺は大好きマイク・クラーク先生。
まぁただでさえ動画少ないんだけど

この動画はもう昔から大好きで笑(っても氏の音源たくさん聴いてるわけでもなく、とにかくハンコックのバックとこの動画の印象強し)
このストイックさったらね…



でこれは今日初めて観たけどいいですね!ハモンド
友人のドラマーT木は氏の小手先感が気にくわないと申していたが私はこのどこか脱力しててドライでカッチリしてないのがいいと思うます。
イメージとしてはサイレンサー付きのサブマシンガンでパスパス撃ってる感じ。

自画自賛レビュー、mix for "Music Inn" DJ event on 2010/05/14


プレイリスト
Pops wish you happiness, sincerely
http://8tracks.com/shimiyo1024/pops-wish-you-happiness-sincerely

Flanerie / 大島ミチル
気になるアイツ / 李小狼(CV:くまいもとこ)
When You Are Who You Are / Gil Scott-Helon
Youth「警戒線突破」/ CITROBAL
こんな感じ / 澤部渡
Pure Smokey / George Harrison
恋の祭典 / キリンジ
Four to Three / 小川美潮
スター!スター!カゲスター! / 水木一郎コロムビアゆりかご会
バタフライ / 及川光博
Happy End / 鈴木さえ子


導入として超秀逸だったソ・ラ・ノ・ヲ・トのサントラから。
是非ともかけたいと思っていた、軽快なアコギカッティングの「気になるアイツ」で颯爽と本編突入。
さくらに関しては未だアニメは観てないですが、OP、EDに関しては元より当然良質アニソンポップスとして押さえておくべきところでありまして、ちょっと前にサントラだけ一枚聴いてみたらこれも素晴らしく、さくらの音楽へのこだわりが伺えたのでした。そんでキャラソンアルバムを聴いてみたら、やはりおしなべてハイコンテクストなポップス文脈を押さえていた中、突出して琴線に触れたのがこの一曲。
このアレンジ素晴らしいと思いませんか?!
ワウのかかったソウルフィーリング溢れるエレキ、サビ前の中国風味なベルのフレーズ、サビのシンセのポルタメント感、最後の方でフェイザーかかったクラビ、エレピ、そしてリズム隊のグルーヴ。ちょっとひねくれたコード、メロ展開。サビへの高揚感の持っていき方。
それにしてもこのボーカルの声質は何かやばい。普通ではない。で一番グッと来るポイントは、サビ終盤のコードIIIm7→VI7で、「♪予想できない毎日〜」の「ちー」がVI7のシャープナインスの音まで登りつめるとこです。お解り頂けますでしょうか?
そんでギルスコのこの一曲。ジェリー・ジェモット先生のベースが爆走。
前曲から曲調、歌詞のイメージでつないだつもり。
歌詞こちら。
http://www.songmeanings.net/songs/view/3530822107858764657/
しかし未だWhen You Are Who You Areの意味するところがよく解らん。語学クラスタの人教えて。
純粋な恋心っていいですね…もはや私はルサンチマン重ねすぎてそういうの持ち得ません。悲しい。
さてやはり軽快なギターのイメージでつないでいきます。
和製ポップス全盛、1999年のシトロバル女史の大名盤、マイ・コーション・ラインよりオープニング曲。
シンバルズ沖井先生のベースです。
そしてシトロバル、シンバルズはもちろん、何よりyes, mama ok?など、2000年前後のポップスシーンをリアルタイムで誰よりも愛し、そして愛された男であり尊敬すべき先達でもある澤部渡さんの超名曲へとバトンタッチ。高校生時代の澤部さんによる全自作自演。
続けて「Pure Smokey」。これはミュージックインにビートルズ研究会の方から仲間入りしたO君に教えてもらいました。
正直これは衝撃でした。未だ知らなかったジョージ・ハリスンの秘境!このブラスアレンジとかドナルド・フェイゲンもびっくり。
調べてみればやはりというかバックの面子はクロスオーヴァーな連中。こういう時代の波に乗って期せずして産まれてしまった感、最高です。一聴してわかるリチャード・ティーフェイザーかけたローズサウンド。1976年。
しかしここまでメロウなこういった曲調はホントにこれ一曲ぐらいしかないらしい。実際アマゾンのレビューとか見てみると、ハリスンの元来のファン層的にはこういうのがあまりピンと来なかったのであろう、受け入れられなさっぷりが伺えまして、これは残念。
メロウ、ゴージャスなイメージから恋の祭典へ。
やわらかなイメージからFour to Threeへつなぐ。小川美潮さんは初めてDJでかけました。
初めて聴いた時からサビのコードの響きは本当に衝撃的でありました。
そして一世一代の飛び道具ネタコーナー。
スター!スター!カゲスター! これは本当に大怪作。
作曲が渡辺岳夫、編曲が松山祐士ガンダムファンなら名前に覚えのあるはず。
アレンジの熱量、気迫が尋常ではない。
内容知らんと歌詞もただただ電波で意味不明のままに迫ってきて恐ろしい。
泣きのギター、ドスドス入ってくるドラム。
水木先生といえば、しょっぱなから伝統の三回コール。そしてついにはカゲスター!を四回コール。これはマジで衝撃的だった。
2、3回目を弱めに歌って4回目でまた力入れてくるこの緩急。
この曲は適当に借りた特撮ヒーローコンピで知った。
特撮ソングに関してはやはり曲調、メロディがただただ激情的で振れ幅がないというか、アニソンで遭遇することのできるポップス的感性を求めるのが難しいこともありあまり掘り下げるつもりもないのであるが、この曲に関しては別格で本当に素晴らしい出会いであった。自分の中で評価出来るこれ以上の傑作は以前より知っていた和製スパイダーマンのテーマぐらいか。実際コンピのその他の曲ではグッとくるのなかったかな。
ところで「星のマントをビュビュッとふーればー」の「ふーればー」の所、なんてことなはないただのトライアドのドミナントコードなんだろうけど、最初聴いた時から何故かすごいグッと来るものがある。何か奇跡が起きてるここは。賛同者求む。
さぁ終盤。
誕生日が10/24で一緒な及川光博、前回に続き今回もラストで重用。
8tracksでは再現できず残念ですが、最後のカゲスター!からイントロのブラスをシームレスに繋ぐ感じで、本番では超こだわっていました。
ミッチーに関しては、なんでだか図書館に網羅されていたのをほぼ聴いてみたんだけど、やはり提供曲も、彼の自作曲(それにしても作曲力高いと思います)も、プロデュース的な要請もあるんだろうけど、作曲、編曲レベルでどこか惜しいと言うかクサさが拭い得ない部分がどっかあって笑(もちろんハナからコミックソングな部類は除いて)、全肯定とはいかないんだが、この曲に関しては群を抜いて大傑作だと思います。この作曲者の森元康介氏、他には提供していないみたいだし。アレンジはおなじみ深沼元昭氏。やっぱりこの曲に限って超いい仕事してる。プレイグスメロウヘッドは別に全然聴かないんですが、クリンゴンの育ての親ということで恩義がある人です。
ラストはその名の通りハッピーエンドにしたい、とのことで鈴木さえ子女史のHappy Endで終幕。
鈴木さえ子さんも数枚聴きましたが、決して好きな曲が多いわけではないんですがこれは昔から大好きですね。
こうね、無条件にハッピーにして欲しいんですね、ポップスに。